TikTok買収レースが激化―Reddit共同創業者も参戦か

人気SNSアプリ「TikTok」の買収をめぐる動きが、さらに加速しています。新たにRedditの共同創業者であるアレクシス・オハニアン氏が買収レースに名乗りを上げたことが明らかになりました。彼は元ロサンゼルス・ドジャースのオーナーであるフランク・マッコート氏とタッグを組み、TikTokの買収を目指しているとのことです。

マッコート氏は「彼(オハニアン氏)はソーシャルメディアの過去と未来を深く理解している」とし、買収後のビジョンを共に描ける人物だと評価しています。

「Project Liberty」が目指す新たなTikTokの姿

フランク・マッコート氏は、単なる投資家ではなく、「Project Liberty」という活動の創設者としても知られています。このプロジェクトは、インターネットのあり方を見直し、データの主導権をユーザーに取り戻すことを目的としています。

現在のソーシャルメディアは、FacebookやInstagram、TikTokなどを含め、多くの個人データを収集・活用しています。これらのデータは広告業者に販売され、ユーザーの嗜好に合わせた「パーソナライズ広告」として活用されています。

Project Libertyはこうした流れに対し、**「ユーザー自身がデータの管理権を持つべきだ」**という考えを掲げており、その一環としてTikTokの買収を計画しているようです。同団体は、特に子どもや若者にとってより健全な環境を提供する「新しいTikTok」を構築したいと考えています。

イギリスのコンピューター科学者であり、ワールドワイドウェブ(WWW)の考案者でもあるティム・バーナーズ=リー氏もこれに賛同しており、以下のように述べています。

「ユーザーは自身のデータを自由に管理し、選択した人や組織と共有できるべきだ。TikTokがオープンなインターネットプロトコルを採用すれば、プライバシー、データ主権、ユーザーの精神的健康といった重要な価値観を尊重するプラットフォームになるだろう」

買収をめぐる競争、MrBeastやイーロン・マスクの名前も浮上

しかし、TikTokの買収を狙っているのはマッコート氏とオハニアン氏だけではありません。人気YouTuberのMrBeast(ミスター・ビースト)も、投資家グループと共にTikTok買収に向けた資金調達を進めているとされています。

また、過去にはイーロン・マスク氏が買収に興味を示しているとの噂もありましたが、本人はこれを否定しています。さらに、元米国大統領のドナルド・トランプ氏も、**「TikTokを買収するための政府系ファンドを設立する可能性がある」**と発言し、話題を呼びました。

ByteDanceの対応は消極的? TikTokの未来はどうなるのか

多くの企業や著名人がTikTokの買収に関心を寄せていますが、現時点でByteDance(TikTokの親会社)の反応は冷静なものです。マッコート氏によれば、ByteDanceは**「表面的な交渉」には応じているものの、本格的な売却の動きは見られない**とのこと。

さらに、ByteDanceがTikTokのどの資産を売却するのか、また企業価値をどう算定するのかすら明確になっていないのが現状です。一部では、ByteDanceが買収交渉を進めるよりも、アメリカ市場でのTikTokのサービスを停止する可能性すらあるとの憶測も飛び交っています。

TikTokの未来はどのような方向へ向かうのか、今後の動きに注目が集まります。

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