Xperiaスマートフォン向けのAndroid 11アップデート。
国内ではまだXperia 1 IIおよびXperia 5 IIのみが提供済みとなっていますが、海外の一部では2週間ほど前からXperia 1およびXperia 5に対してもアップデートの提供が開始されています。
(欧州圏ではXperia 10 IIにも提供が開始されています)
一方、このXperia向けのAndroid 11アップデートをしたXperia 1 IIやXperia 5 IIではベンチマークスコアが大幅に低下、あるいはスコアにバラつきが出て不安定なることが明らかになっており、これは国内版でも同様の現象が確認されています。
一方、ここ最近でAndroid 11を搭載したXperia 1およびXperia 5もベンチマーク上に多数登場し、同じAndroid 11搭載のXperia 1 II/5 IIと比較して奇妙な現象が起きていることが判明しました。
Android 11でXperia 1 II/5 IIとXperia 1/5の性能が逆転?
以下はAndroid 11搭載のXperia 1 II/5 IIおよびXperia 1/5のGeekbenchでのベンチマークスコアを比較したもの。
ご覧のようにXperia 1 II/5 IIでは3000ポイント台のスコアがある一方で、1000ポイント台のスコアがかなり目立ちます。
一方、Xperia 1/5では2500ポイント台を中心に比較的スコアは安定。
さらに期近50回の計測結果の平均と中間値を算出すると:
Xperia 1 II Xperia 5 II | Xperia 1 Xperia 5 | |
マルチコア(平均) | 2181 | 2467 |
マルチコア(中央値) | 1946 | 2544 |
普通、SD865のGeekbenchにおけるベンチマークスコアはSD855と比べて大体2割前後高いはず。
一方、今回の統計をみると、SD865搭載のXperia 1 II/5 IIのベンチスコアはSD855搭載のXperia 1/5よりも平均値で15%程度、中央値では30%近く低くなっています。
つまり、Android 10搭載時とAndroid 11搭載時で完全にベンチマークスコア上での性能が逆転してしまっている、ということになり、これはどう考えても異状ではないかと思います。
ベンチマークスコアは必ずしも実使用での体感速度や性能を正確に表すとは限りませんが、一つの指標であることは確か。
少なくとも過去に同じメーカーの機種で旧世代チップを搭載したモデルが新世代チップを搭載する機種よりもベンチマークスコアが高くなる、という現象は聞いたことがありません。
しかも他のSD865搭載機ではこういった現象はなく、Xperia 1 IIおよびXperia 5 IIだけでこの現象が起きているのは非常に不思議です。
ちなみにReddit上の一部ユーザーからAndroid 11アップデート後のXperia 1 II/5 IIのベンチマークスコアはしばらくすると3000ポイント台に戻る、という指摘もあります。
ただ、いずれの機種も海外ではアップデートが提供されてから数週間以上が経ちますが、このGeekbench上の計測結果を見ている限りスコアが全体的に改善しているという気配はありません。
コメント
アップデート直後に下がり、その後戻るというのは十分ありえる話ですね
Androidはアプリのインストール直後は、Javaバイトコード(チップ非依存の中間表現)でアプリを実行するので性能を引き出せません(より正確には、jitといって機械語に変換しながら実行します)
空き時間にチップの機械語に変換し、その後は最速で動きます
CPUの複雑な機能も最大限使うことができます
アップデートでOSが更新された結果、この変換済のコードが無効化されるということはありえます
その場合インストール直後と同じように、性能が引き出せないのでこういう結果になるでしょう
余談ですが、ウェブ上の記事で展示品や貸与されたスマホにゲームやベンチマークアプリをインストールし性能を測る記事がありますが、ほとんどがこの仕組みを理解していませんね
OSが新しいほどjitの性能が上がるため、全力ではないチップとjitの性能の複合を出してます
もちろんiPhoneとの比較なんてできませんし、Android同士でもほとんど意味の無い比較です
余談というか大手サイトの提灯記事への不満になってしまいました、すみません