かつてGoogleが開発していたとされるPixel専用AIアシスタント「Pixie」。この新機能はPixel 9とともに登場する予定でしたが、最終的には日の目を見ず、その後の動向も不明のままでした。しかし、新たなレポートによって、Pixieがどのように姿を変え、現在のGoogleのAI戦略に統合されていったのかが明らかになってきました。
「Pixie」はなぜ消えたのか？
2023年12月、GoogleがPixelシリーズ向けの新しいAIアシスタント「Pixie」を開発しているというニュースが報じられました。Pixieは、既存のGoogleアシスタントと同等の機能を持ちながら、Gemini Nanoを活用した高度な操作も可能とされていました。しかし、最終的にこの機能が正式発表されることはなく、その理由も明かされていませんでした。
新たに公開されたThe Informationのレポートによると、Googleの経営陣はPixieがGeminiと競合することを懸念し、方向転換を指示。その結果、Pixieプロジェクトは2つに分割されることになったのです。
Pixieの分割──「Pixel Screenshots」とGeminiの一部へ
GoogleはPixieの開発を完全に中止したわけではなく、その技術を別の形で活かす道を選びました。
- Pixel Screenshotsアプリの機能として転用
- 画面のスクリーンショットを分析し、重要な情報を抽出するAI機能として一部が統合。
- Geminiの追加機能として組み込まれる
- Pixieが持っていたAIタスクの一部が、Googleの統合AIアシスタント「Gemini」の機能拡張として活用されることに。
こうしてPixieは単独のアシスタントではなくなり、Pixel専用機能とGoogle全体のAIエコシステムに分散された形となりました。
「Pixel Sense」とは何か？ Pixieの後継機能か
今月初め、Android Authorityは「Pixel 10」向けに「Pixel Sense」と呼ばれる新機能が開発されていると報じました。これがPixieの進化版なのかは不明ですが、Googleは依然としてGeminiと競合するようなスマートアシスタントの開発には慎重な姿勢を取っているようです。
9to5Googleの推測では、Pixel Senseは従来の音声アシスタントのような形ではなく、より限定的な機能を持つ可能性が高いとのこと。GoogleがGeminiを中心にAI戦略を進めるなか、Pixel専用の独自アシスタントが復活する日はまだ遠いのかもしれません。
